肩の力をぬく!

長いものには巻かれておきたい

240523恩田陸「spring」を読んだ

寝不足です。 カロナールのおかげでなんとか頭痛にならずに済んでいる、 とても眠いです。どうも函南です。


昨日は通勤中に読んでいた小説がかなり面白くて退勤後もずっと読 んでいました。 ので理想の就床時間よりも2H後ろにずれこんでしまい、 今朝は早起きしてすぐに電車に飛び乗らないといけない日だったの で、睡眠時間がぜんぜん足りてません… むりやん6H睡眠で働くとか…日本総寝不足国家だよ。 だってHSPがこんなに流行っているので睡眠時間の平均が6時間 台???おかしいだろ、こちとら可能なら毎日8. 5H眠りたいから9Hは就床したいわけだよ、 フルタイムで会社員やりながら趣味やりながらは無理だよ。
ぴえ〜ん。
睡眠時間を十分に確保しながら今以上の収入をキープできないもの か…。

 


そうそう、昨日おもしろくて一気読みした小説は恩田陸の新刊「 Spring」
バレエ小説です。なんか綴りが全角なんですよね、なんでじゃろ。
バレエダンサー萬春(よろずはる)の逸話を詰め込んだはなし。
恩田陸って中学生か小学生のときに「六番目の小夜子」「 夜のピクニック」を読んで以来だと思う。 語り口がすごく現代的で令和な感じで驚きました。


私は幼少から現在まで18年位ダンスに親しんでいるし、 大学時代は美術部でいちおう表現に携わって色々考えていたんだけ ど、
「表現」ってなんだろう、人はなんで踊るんだろう、 踊り続けるんだろう、踊りってそもそもなんだろう、 自分は踊りでなにをしたいんだろう、 自分はどんなふうに踊りたいんだろう、 というのをあんまり言語にできていなかったんですよね。 言語にして考えようとしているのは本当にここ最近、 3ヵ月くらいかな…。

 


以下はネタバレを含むよ!!!
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恩田陸の新刊「Spring」で、私が経験則や感覚、 カンで捉えていた「踊りの世界観」 みたいなものが見事にテキストになっていて本当に舌を巻きました 。脱帽。 そして胸のなかでぐるぐるモヤモヤ渦巻いていた踊りに関するイメ ージのようなものに、 つぎつぎとぴったりの記号を与えられていく感覚が本当に爽快で脱 帽でした。


「踊ることは、祈ることに似ている。」 の文がなぜ踊らない作家からでてくるのか。( Wikiを見る限り踊る人ではなさそうだが...)
すごい取材力と想像力と言語化能力と文章力… 長きにわたって売れっ子であり続けているプロの作家ってこういう ことができるんだ…!とめちゃくちゃびっくりしました。
ダンサーは身体言語に特化する人も沢山いるので、 自分の踊りの感覚とか、踊りが自分のなかから生まれてくる間隔、 音楽と踊りの関係性を言語ができる人ってあまりいないように感じ ます(まあ、実際に踊ればよいので笑)


最近の函南にはなにかが「降ってくる」感覚があって、 なにかというのはインスピレーションってやつだと思うんですけど 。 最近はちょっとだけ未来を先取りしているような感覚で日々を過ご しています。


で、本当にここ最近「祈りをテーマにダンスをつくれないか」「 祈りを届けるような踊りがしたいな」「 ネガティブの沼や井戸から上がれなくなっている人に、 体温だけを分け与え寄り添うような、 祈るような踊りができないか」と思っていたところに恩田陸「 spring」の「踊ることは、祈ることに似ている。」 がきたので本当にびっくりしたんです。
まあちょっと祈りのニュアンスは違ったけど、でも、ね。 踊らない人は体感しないと思う。
民俗がテーマのメディアで所謂「儀式」のなかの「祈り」 の踊りや舞を見たことがある人は沢山いると思う。 でも踊るときの身体と精神と世界のつながりを、 踊らない人は体感できないし想像できないと思う。 もしかしたら取材のなかで出てきたキーワードなのかな。 ちゃんと掬い上げるのがすごい。


他にも踊る人の感覚が素晴らしく言語化されていてまじですごかっ た(語彙力)ネタバレになっちゃうから( というか衝撃過ぎてまだ私の頭のなかをぐるぐるしているので) ちょっと書けないな〜という気持ち。

 


芸術や表現の角度から考えると、 最終章でばっちばちのエロスがでてきたのが函南氏の悦びポイント 笑
芸術の根源はやっぱりエロスとタナトスなんですよ。 これは学生時代に考えてたんだけど、 美術もダンスも根源に近づけば近づくほど、「生と死」「命」 が前提にあると思う。 私が今踊っているペアダンスは男女ペアなんで恋愛テーマになるこ とがほとんどかしらん、と思うんだけど。 恋愛も根源をたどれば生と死のサイクルにのっかっている。
美術然りダンス然り芸術活動には性的なエロスは必要不可欠で不可 分だと思う( 多様性の時代なのであんまり強く大きな主語で断言はできないが、 少なくとも「私」は)
主人公がただの高尚な天才かと思っちゃうんだけど最終章を読むと 血肉の通ったヤツだな、 と思えるところがすごくよかったなぁと思います。

 


えーと、感想は以上です。