肩の力をぬく!

長いものには巻かれておきたい

開胸による心臓手術の話

女の本厄やべーをまざまざと体感した春でした…。今年にはいって友人急逝するし、自分の健康を保つために試練が続いております。

 

おはこんばちは、函南です。

 

でかい手術と、予定外の小さめの手術を連続して受けまして…現在は診断書という錦の御旗のもと自宅療養という名の人生の夏休みというなの、えーと、おサボり…?在宅勤務?なにそれ美味しいの?

 

先天性の心臓の奇形があり、定期検査を受け続けてきたのですが、主治医曰くそろそろやるべー、ということで、手術①は開胸による心臓手術。うーん、今はカテーテル使った心臓手術とか身体の側面から肋骨の隙間切って内視鏡を使用した心臓の手術(体に残る手術痕が5〜6cmで済むタイプ)とかね、ありますけど。函南の症例だとMICSが使えず、カテーテルも勿論使えないとのことで、開胸してきました、いんや〜痛かった!笑

 

押井守の映画イノセンス冒頭に、暴走したセクサロイドの肋骨がパカっと開くシーンがあるけど、あんな簡単に人間様の肋骨は開かないからね??そもそも肋骨には関節がないから、身体全面の中心にある胸骨を縦にスパッと切って、そこからぐわっと、強引に、肋骨のカゴを開けるわけですよ。これを胸骨正中切開というそうです。胸骨は骨折だけど肋骨はぎり骨折ではない!術後1ヶ月経った今はノコギリで切ってワイヤーで止めてある胸骨よりも、開胸する段階でいじめられてしまった肋骨の方がよっぽど痛いです、ぴえん。

 

大人になってからの心臓手術って準備もすごく大変なの。CT・MRI・身体の各所のエコー検査はまあ楽な方なんだけど、経食道心エコーがまじで、怖かった…!函南は嘔吐恐怖めっちょ強いので、そもそも他人に口の中を触らせるのも嫌なんですが、経食道エコー体験者の口コミが悪いのばかりでまじビビりました。怖すぎで検査前の血圧180叩き出しました。泣かなかったの偉すぎレベル。泣きそうだった笑

函南からこれから経食道エコー受ける人にできるアドバイスは3つ…。鎮静は絶対かけましょう、鎮静をかけた後にプローブを口から入れてもらうことを検査技師ときっちり合意を取りましょう、鎮静前の喉の麻酔に全身全霊をかけましょう。麻痺ってなんぼです。

あとは可能であればなるべくリラックスすることかなぁ、血圧180も出てると鎮静MAXかけてもらっても全然眠れなかったです、ぼやっとはするけど完全に起きていた。喉の嘔吐反射を超えてしまえば、食道のなかをプローブがうろうろするのは、鎮静で眠れなくてもまあちょっと痛いというか、圧迫感があって苦しいな、くらいで。鎮静で眠れてしまえば多分大丈夫だと思うの、たぶん、もうやりたくないけど笑

Twitterで散々悪評がたつ経食道エコーだけど、鎮静かける前に喉の麻酔だけでプローブ突っ込まれて、苦しんだ人が多い印象かなぁ。検査技師の腕なのか、理念なのかはわかりませんが、絶対に楽にやったほうがいいですよ、患者としてはね。

 

そして手術と術後の話。

まあ手術に関してはね、もうドクター達のチームにお任せするしかないので、私は全身麻酔で8時間くらいすやすやと眠っていたわけですけど。

起きてからまず自分が管だらけで殆ど磔状態でした。説明されてたし同意もしてたけど、いざ磔になってみるとおやおや、という感じ。

まず気管に人工呼吸器、胃酸をだすために鼻からも胃袋にも挿管されていたし、身体にはドレーンの管が3本、ペースメーカーの電極が2本、左右の腕と首に点滴が合計4本、手の指にパルスオキシメーター、尿道には排尿カテーテル血栓を防ぐためのふくらはぎを揉み続けるメカが左右1つずつ。

あと私は麻薬系の痛み止めの点滴で気持ち悪くなるタイプでナースコール押しまくって騒いで大変でした。もちろん吐けない。胃液用の挿管がなければトラウマが増えるところだった…。吐き気どめもMAX打ってしまってそれでも気持ちが悪くなるし、嘔吐恐怖が強すぎて、結局痛み止めは規定の点滴のペースで入れられなかったのよね。全身麻酔うったあとでも恐怖心の立ち上がりがはやくて、結局痛みをとった函南

 

あと心臓手術を受ける人はみんなそうなのかわからんけど、ベッドがちょうふわふわ過ぎて、固いマットレスで眠り慣れている函南は背中が痛すぎて辛かったです。ほとんど磔状態でほぼ動けなかったときに1番辛かったのは寝返りが打てずベッドがふわふわ故に凝りまくる背中!

胸骨切ったばかりでぐらぐらなのでそもそも横向きで寝るのも無理、背中が痛すぎて術後11時間で長座前屈してましたけど、えーと多分ふつうは痛み止めをもらうんじゃないでしょうか(この時はICUでの立ち振る舞い方、痛みを我慢する加減がわからなかった)せん妄にならなくてラッキーでした。

 

全身麻酔で心臓止めるレベルの深い鎮静をかけて人工心肺つけて〜の手術だと、体力がリアルに底をつきます、私は寝てただけなんだけどな。

頭が重くて起き上がるのが大変なのと、座る体力すらなくなります。目の前に食事が出てきて気持ちは食べたいのに、座って箸をつかって食事を口に運ぶ体力がなくて400kcalくらいの定食の1/4くらい食べて力尽きて眠るとか…。ベッドの上での20分くらいの食事を完遂できる体力が戻るまで、術後3日くらいかかりました。やばいです。

 

開胸翌日から立ったり、歩いたり管や機械を全て連れながらリハビリが始まるんですけど、動けるのは嬉しかった〜。動くようになると胸腔ドレーンが身体のなかで動くのか非常に痛かったです。こいつは術後1週間で最後の1本が抜けるまでめちゃめちゃ痛かった。

 

磔状態だと連続2.5時間以上眠れなくて、胸腔ドレーンと首の点滴があると本当に眠れなくて、2時間ごとに起きては絶望した術後でした。3時間以上連続して眠れるようになったのは、胸腔ドレーンが全てとれた術後1週間たってからだったなぁ。眠れないとメンタルにくるタイプの私は、最後の胸腔ドレーンが取れる直前は寝不足でメンタルがぐずぐずになって大変でした。

 

あと小話的なのだと、排尿カテーテルを抜くと尿道が傷つくことがあって、尿道の出血があることがあるんですけど。心臓手術後で血液さらさらのお薬が投与されていると割と出血が止まりにくく、普通に過ごしていても多い日の生理なみに出血がありました。生理来ちゃったかと思ったもん。病棟で紙オムツも貰えたんだけど、やっぱり生理用のパンツに夜用ナプキンをつける方が、女性は慣れてるから過ごしやすいかもしれません。紙オムツはねぇ、私の場合は横漏れがあったのと、生理パンツ+ナプキンのときみたいに身体にフィットせずにフワッとしてたので、シーツを汚しそうでちょっと心配だったかな。好みがありますけど、生理パンツと生理用品のほうが安心かも。

 

まだ30代と若いので驚異の回復力をみせて術後10日で退院したんですけど、そこから通勤→デスクワーク→通勤をこなす体力が戻るまでは2週間以上かかりました。自宅療養の長さは人によるけど、診断書には多めに書いてもらった方が良いです。底をついた体力まじで戻らんかった。心臓手術おそるべし。

 

でいきなり通勤デスクワークこなして出張こなして平日5日間ばっちり働いたら、心臓手術で予備に開けていたカテーテルの傷跡から細菌感染してしまい、膿がリンパ節に非常に近く、リンパに乗って細菌が心臓まで回ってしまうとよろしくない、ということで緊急入院、緊急手術…。すぐに緊急手術枠にねじ込んでもらえて函南は非常にラッキーだったのですが、溜め込んでいたはずの有給が爆速で溶けており、どうやら今年度ははじめての「欠勤」しそうな気がします。休業せずに済んだけど、術後もしばらく通院あるし、長期休暇はみんなと同じ日程休みたいし、たぶん足りなくなるんじゃないかしら。もう仕方ないね!そう簡単にクビにはならんよ!診断書だしてるし!

 

胸骨がしっかり癒合するまで上体を捻ったり、重いものを持つのは禁止なんですけどね…、こっそりダンスの準備運動とかアイソレーションとか基礎ステップとか軽ーく踏んでみたけど、筋肉めっちゃ落ちてるし、関節の可動域は狭くなってるし、ダンスのリハビリも大変そうです笑

基礎から積み直すいい機会だととらえて、動けるようになったら練習頑張ります。

 

それでは!

あっでゅー!